VWが排ガス規制を逃れるために不正なプログラムを構築していた

アメリカで販売されているフォルクスワーゲン車に排ガス規制を逃れるための不正なプログラムが組み込まれていたことが判明した。

排ガス

この違法なプログラムはアメリカ合衆国が実施する排ガス検査の時だけ浄化装置が稼働するという仕組みだった。一方、車の通常走行時は浄化装置は稼働せず有害な窒素酸化物がダダ漏れだった。ダダ漏れしている窒素酸化物は排ガス基準の40倍の濃度に達することもあったという。

米国EPA(環境保護庁)は9月18日、フォルクスワーゲングループオブアメリカが、米国の排出ガステストをクリアする目的で、違法なソフトウェアを使用していた、と発表した。

EPAの発表によると、フォルクスワーゲングループオブアメリカが使用した違法なソフトウェアは、排出ガステストの際、排出ガス浄化機能をフル稼働することができるという。

フォルクスワーゲングループオブアメリカは、この状態で、米国の排出ガス基準をクリア。

しかし、このソフトウェアを用いると、通常の走行時の排出ガス浄化機能は、大幅に低下。排出ガス中の有害物質のひとつ、NOx(窒素酸化物)は、排出ガス基準の40倍にも達するケースがあるとのこと。

情報源: 米VW、排出ガステストで違法なソフトウェアを使用 | レスポンス

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影響が出る車種や台数

影響が出る台数はアメリカ合衆国全体で48万台にも上る。リコール対象になっている車種は「ジェッタ」「ゴルフ」「ビートル」など売れ筋の主要な車種ばかりだ。

ジェッタビートル

このソフトウェアが装着されていたのは、フォルクスワーゲンブランドとアウディブランドの直列4気筒ターボディーゼル「TDI」エンジン。

2009-2015年モデル、およそ48万2000台が該当する。フォルクスワーゲンでは、『ジェッタ』、『ビートル』、『ゴルフ』、『パサート』。アウディでは、『A3』が対象。

EPAのシンシア・ギレス補佐官は、「違法な装置を使って排出ガス基準を満たす行為は、国民の健康を脅かすこと」、とコメントしている。

情報源: 米VW、排出ガステストで違法なソフトウェアを使用 | レスポンス

リコールや罰金を払った場合のフォルクスワーゲン社に生じる損害

今回のフォルクスワーゲン社が起こした排ガス規制逃れの不正によりアメリカ政府から2兆1千億円の罰金が課される予定だ。加えて48万台をすべてリコールし、新車に買い替えた場合9600億円の損害が生じる。

一方、2兆1千億円と言われているアメリカ政府への罰金を支払えば、VWは現在走っている対象車をそのまま走らせることが可能。

ちなみに2兆1千億円の根拠は、排気ガス規制未対応車に対する罰金が1台あたり450万円。それの48万台分という計算である。

48万台全てを買い取るか、新車に交換かただVWは2兆1千億円の罰金を支払ってオシマイという解決手段は取らないと考える。

そんなことをしたらイメージの悪化は避けられないからだ。

かといって48万台の旧世代ディーゼルエンジンの全てを規制対応型の新世代ディーゼルに載せ替えるのも難しいだろう。そもそも物理的に無理だし顧客満足度だって落ちる。となれば残る手段は二つしかない。

48万台全てを買い取るか、新車に交換か、である。

二つとも前代未聞のリコール対応です。

最もコスト的に厳しいのは新車への交換だけれど、VWの生産コスト&流通コストは平均で1台あたり200万円程度。48万台全てを新車交換したって9600億円で済む。

情報源: VWの排気ガス規制偽装問題、前代未聞のリコール対応で信頼回復を図れるか 【オートックワン】

スズキは8月末に提携を解消していた

日本の自動車メーカースズキは2015年8月にフォルクスワーゲン社と業務提携を解消している。

鈴木修会長

スズキ社の鈴木修会長は「世界にはいろんな異質な企業があるんだな」と提携解消後の記者会見で述べている。この発言からして鈴木会長はVW社の今回の排ガス規制逃れに関して何らかの事情を知っていたのかもしれない。発覚する前にうまく逃げれたのではないかなと思われる。

 スズキの鈴木修会長は30日、都内で記者会見を開き、独フォルクスワーゲン(VW)との提携解消をめぐる国際仲裁裁判所の裁定について「満足している」と話した。鈴木会長らの主な一問一答は以下の通り。

――今回の裁定についての評価は。

 鈴木会長「2009年12月に契約を結んだが、1年ほど経過したところで様々な行き違いが生じ、2011年に提携解消を申し入れた。裁定の内容が私どもの手元に届いたのは29日夜。英文の中身を慎重に精査し、本日の発表となった」 

「スズキの求めていた通り、VWとの包括契約は終了し、VWがスズキ株を返還する。この結論に満足している。仲裁を申し立てた最大の目的は達成できた。これまで『のどに小骨が刺さったよう』と話してきたが、非常にすっきりした。

世界にはいろんな異質な企業があると感じた。経験不足を反省している」

情報源: スズキ会長、独VWと「再婚ない」 提携解消「満足」  :日本経済新聞